過敏性腸症候群について

◆過敏性腸症候群(IBS)とは◆
特に腸の器質的疾患はないのに下痢や便秘、腹部の不快感が続く症状を総称して過敏性腸症候群と呼んでいます。これらの症状は、緊張や不安感を感じたときに 出てくることが多いという特徴があります。例えば、会社や学校に行く前は排便が困難で、満員電車に乗るとおなかが痛くなって下痢をする。会議の最中や授業 の発表など人前に立つとお腹が張ったり、ゲップが出たりする。このような症状が1ヶ月以上続き、週末や休日など特に予定が無いときは普通に排便があるよう な場合IBSを疑います。

◆過敏性腸症候群(IBS)の原因◆
腸管の運動(腸の筋肉の動き)は自律神経でコントロールされています。通常は自律神経の働きにより、腸管の運動は規則的でほぼ決まった時間に排便がありま す。ところが緊張や不安を伴うストレス状態に陥ると自律神経のバランスが崩れ、腸管が過剰に運動したり、弛緩して動かなくなったりすることで、下痢になっ たり便秘をしたりするわけです。また、便秘や下痢が長期に続くことで「何か大きな病気なのでは無いか?」という不安がさらなるストレスとなり症状を悪化さ せることもあります。

◆過敏性腸症候群(IBS)かなと思ったら◆
IBSは腸管の機能疾患(腸の動きが過剰もしくは緩慢)ですので、これ自体命に関わる病気ではありません。まずは日常のストレスを減らしてあげることが大 切です。適度な運動や趣味や余暇に費やす時間を増やし、ストレスの軽減に努めましょう。また、お酒やタバコ、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲みも のは控えた方が良いでしょう。また一度医師に相談し投薬等で症状緩和を計ることも大切です。当院では必要に応じて採血検査や検便検査、レントゲン検査で腸 の状態を調べることも可能です。また医師、看護師による生活指導等も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。入学や入社、異動などで生活環境が変化す る4月。IBSと上手に付き合い、新しい年度をスタートできるようお手伝いいたします。

2011年12月9日2:00 PM