激しい膝の痛みと偽痛風

軽い運動をした後に、右膝に激しい痛みが起こり受診したところ、「偽痛風」と診断されました。どのような病気ですか?(70歳男性)

 

A.膝痛の原因のほとんどは、変形性膝関節症です。これは急激に痛みが発生するというよりは、慢性的な痛みで、急に歩けなくなるというようなことは ほとんどありません。激しい痛みが関節に起きる病気の中に偽痛風があります。痛風は関節に尿酸ナトリウムが沈着することで痛みが起こる疾患に対し、偽痛風 はピロリン酸カルシウムが原因で起こる疾患で、全く治療が異なります。
ピロリン酸カルシウムはいわば関節についたカルシウムのゴミのようなもので、レントゲン写真に石灰像として映しだされることもあります。 この病気は変形性膝関節症がベースにあるものが多く、 高齢者に多発します。偽痛風発作時は、関節周囲に強い炎症が起きるため 関節液がたまり、熱を持ち、その為激しい痛みを伴います。膝以外に肩関節、肘関節などにも起こります。治療は、関節内に溜まった関節液を抜き、ステロイド 剤を注入します。 そして鎮痛剤の内服と膝の安静を保つことで数日で軽快します。 まれに1ヶ月以上持続する方もいます。

2012年1月20日3:00 PM